子供の頃の交通事故の古傷の影響で立っているのも辛い方への施術例
今日もお客様の施術例のご紹介です。
今回ご紹介するのは、藤沢市からお越しのK様です。
K様はお仕事が立ち仕事で、それが大変つらく、靴紐を結ぶふりをしてでも、ほんの一瞬でもいいから座りたいと思うほど、立っているのが辛かったのだそうです。
昔、整体と出会う前の私もそうでしたので、K様のお気持ちが痛いほど分かり、是非なんとかしてあげたいと感じました。
特にK様は数か月前に階段から落ちてしまい、それ以降足を引きずるようになってしまって、最近では何もないところでよくつまづいたり、体がねじれているように感じるそうです。
K様はまだ20代でお若いのにここまで足元が不安定になってしまったというのは、よほど階段から落ちた時に酷い捻じれ方をしたか、もっと以前に古傷がありそうだな、と予想していました。
問診で詳しくお聞きすると、子供の頃に左足のみトラックにはねられたことがあるのだそうです。
トラックと左足が接触があったことは間違いないのですが、次の瞬間には倒れてしまったので、何が起こったのかはK様自身にもよく分からず、ただ、骨に異常がなかったのは幸いでした。
ただ、足がパンパンに腫れあがってしまい、しばらくギプスを付けた生活を送ったとのことでした。
ああ、大もとの原因はここにありそうですね~。
「子供の頃の骨折しない程度の怪我なのに、問題あるんですか?」
とK様は不思議そうです。
そうなんです。
実は、骨折したから大怪我で、骨折しなかったから大事に至らなかった、と簡単に分類できないんです。
身体に受けた衝撃のエネルギーは、身体にそのまま残ることがある
K様のような非常に強い衝撃で打撲を負った場合、身体には強い衝撃のエネルギーのようなものが、方向性のある力(衝撃時のベクトル)のような形で残ってしまうのです。
むしろ骨折しているほうが、衝撃のエネルギーを跳ね返さずに身体を通過させたことになるので、エネルギーは残りにくくなります。
※骨折のほうが怪我が軽いという意味ではありません。
K様の足を触ると、左右の足の甲の感触が全然違います。
見た目には左右の足の形が違うわけでもないですし、腫れたりコブがあったりするわけではありません。
ただ、古傷のある左足は、ネチャっとした餅のようなグミのような感触なのです。
昔尻もちをついたことがある方のお尻には、こんな感じの塊が残っていることがあり、それを整体師はよく尻もちの「餅」が残ってる、と表現するのですが、
K様の左足は、まさにそんな感じの「餅」が残っていました。
そして、左足の皮膚をいろんな方向に少しずらすと、ある方向にのみ、すごく皮膚がずれやすいのです。
この、皮膚がずれやすい方向というのが、おそらく事故の時に閉じ込められた衝撃のベクトルの働いている方向だと思われます。
このように一定方向にのみ皮膚がずれやすいような場合、整体では身体がそちらの方向に歪みたがっていると見なします。
事実、K様の左足の皮膚は内股方向にずれやすく、実際に、K様の左足は少し内股にねじれています。
こんな時、私達はつい、歪みを治そうと思うと、歪みを正す方向に(身体の歪んでいる方向とは逆方向に)ねじりたくなりますが、それではダメです。
そうではなく、身体が歪もうとしている方向へとねじるのです。
つまり、歪みを強調する方向に皮膚をずらすのです。
こんなことをしたら、身体が余計に歪んでしまうんじゃないかと心配になるかもしれませんが、その心配は無用です。
身体は衝撃を受けた時の記憶を保存していて、もっと歪みたがっています。
ただ、これ以上歪むと骨折してしまうとか、歩けなくなってしまう、などの事情により、歪みたくても歪めなかったのです。
身体が歪みたがっていたのは、あくまでも衝撃を受けた時に満足いくまで歪むことができなかったという、トラウマのようなエネルギーなのです。
これは、心の傷(トラウマ)の解消のために、カウンセリングで辛い記憶を話して追体験したり、そのことを思い出して当時流せなかった涙を流したりして、当時の鬱積したエネルギーを発散するのと同じで、
身体も、当時歪みたくても歪めなかった方向に気が済むまで歪ませてあげればいいのです。
身体のすることに間違いはない
もっとも、歪ませるといっても、骨から捻る必要はあるません。
ただ、身体が歪みたがっている方向へ、優しく皮膚をずらすだけで十分です。
しばらくそうして、身体の求める方向に皮膚をずらしてあげると、
「やっと分かってくれたか」
という身体の声が聞こえてきます。
「よく分かったよ~。Kさんを守るために、歪みたくても歪めなかったんだよね。」
すると、身体はやっと安心して、歪もうとする力を手放してくれます。
再度同じ箇所の皮膚をずらしてみると、ずれやすい方向というものが消え、どちらの方向にもずらしやすさが均等に整い、ニュートラルな感じになっています。
日々お客様に整体の施術をしていて、この「やっと分かってくれたか」という声が聞こえない日はありません。
身体がやろうとしていることに間違いはありません。
私達がコントロールしようと意識しなくても、身体は毎日、ちゃんと心臓を動かし、呼吸し、食べ物や飲み物を消化吸収し、代謝し、体温を維持しています。
私達の頭(意識)がこれら全てをコントロールして、命を維持することは不可能です。
ですから、命を維持する能力は、頭よりも、身体のほうが比較にならないくらいエキスパートなのです。
私達は、自分の身体のことを、間違いを起こしやすく、バグを発生させやすく、わからずやで、頭のいうことをちっとも聞かない問題児のように見なしがちです。
でも、私達の頭が考えることのほうが優れていると考えるのは傲慢です。
身体の働きなしには、私達は一分一秒たりとも命を維持することはできません。
ですから、身体のやっていることは、歪みもコリも痛みも、太っているのも疲れやすいのも風邪をひきやすいのも、全部必要があってのことなのです。
ですから、どうしても身体が自分の思うようにならない時は、頭で身体をコントロールしようとせずに、一度身体の要求するままに任せてみるのが一番良いのです。
さて、K様の足の歪みを、K様の身体の求めるままに気が済むまでずらして、ニュートラルな状態にしてから、再度足の感触を確認すると、
完全に「餅」を取りきることはできませんが、随分スッキリした感触に変化していました。
K様の足も気が済んだのでしょうね。
その後、足、すね、膝、骨盤、背骨、肋骨、肩と一通り整えます。
肩こりのお悩みやシンメトリー整顔によるお顔へのアプローチなどは、この足の問題からすれば枝葉末節ですので、簡単な施術でさくさくと整っていきます。
お身体の土台となる足がしっかりすることで、全身がとても整いやすくなりました。
最後にもう一度身体の声を聴く施術を行って、微調整を行って、施術は終了です。
ゆっくり立っていただいて、立った感じを確認して頂きます。
「あ、すごい、立つのがすごく楽です。
今まではフラフラして、立つのにすごく力を入れて踏ん張っていたんですけど。
踏ん張らないで、力を抜いても立っていられるし、歩きやすいです。」
K様は何度も何度も、「ホントに力を入れなくても立ててる!」と、嬉しそうな実感を込めておっしゃっていました。
冒頭でもご紹介しましたように、靴紐を結ぶふりをしてでも、一瞬でもいいから座りたかったほどのK様に、立つのが楽と言っていただけて、私もとても嬉しかったです。
K様の書いてくださった感想です。
違和感や痛みの変化
(耐えられない状態を10、全く痛みのない状態を0とした場合)
腰・脚のゆがみ 整体前8 → 整体後0
肩こり 整体前8 → 整体後1
施術を受けてみて、以前は立つ時にふらふらしてしまうため、足でふんばってなんとか立っているような状態でしたが、
力をいれなくてもふらふらすることなく真っ直ぐ立てるようになったので驚きました。
施術中も体が変わっていっているのが感じられたので面白かったです。
また来ようと思います。
私の話をきちんと聞いて施術してくれましたし、とても印象がよかったです。
K様、嬉しい感想をありがとうございました。
立ち仕事なのに立っているだけで辛いというのは私にも経験があり、他人事とは思えませんでしたので、K様にご満足頂けて、本当に嬉しかったです。
ちなみにK様は自他ともに認める、すごい雨女だそうで・・(笑)
確かに、当院に来られる時に、当院最寄りの白楽駅に着いた途端に、それまで晴れていた空からパラパラと雨が降り始め、当院に近づくについれて雨が強くなりまして・・。
「もう、ほらね~って感じです。
雨を降らせることには自信があるんですよ。」
と謎の自信に満ちた表情でおっしゃっていました(^ ^;
でも帰りに当院を出ると、すっかり晴れ渡って、西に傾いた西日が反射して、とても綺麗でした。
「ほらね~、終わったから晴れるんですよ」
と、また自信満々におっしゃっていました。
いや、そうではなく、身体が整ったから雨雲もなくなって、晴れ渡った空の下を帰れるようになったんじゃないでしょうか。
私はそうあってほしいし、今後は本当にそうなるんじゃないかな、と思いましたが、
あまりにもK様の雨女の自負が謎の確信に満ちていたので、それ以上は言わないでおきました(^ ^)
K様、このたびはありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
きっと次回いらっしゃる時は晴れてますよ!
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