側弯症で慢性疲労に悩む女の子が、自発的に部屋を掃除するほど元気に
今日ご紹介するのは、中学3年生の女の子Sちゃんの施術例です。
ご本人には、コリや痛みなどの自覚症状は何もないのですが、お母様が、身体や頭に歪みがあることや、最近急に疲れやすく無気力になってきたことを心配されて、ご来院されました。
Sちゃんは小学生の頃は元気そのもののお子さんで、一日中動き回っているような子だったのが、最近何をするにも面倒くさがって腰が上がらなくなり、元気がなくなってきたとのことです。
Sちゃんのお身体を拝見すると、背骨がS字に蛇行して、右の肩甲骨が後ろに引けており、かなりハッキリした側弯が見られました。
けれど、これまでに側弯症の診断を受けたことがないそうです。
以前にも側弯症について記事の中で書いたことがあるのですが、横浜市の公立学校では今年から健康調査票に側弯のチェック事項が加わりました。
けれど、Sちゃんはすでに中学3年生で、しかも中学から都内の私立学校に通っておられるので、これまでチェックに引っかかることなく過ごしてしまったのでしょう。
ここで側弯の簡単なチェックの方法をご紹介します。
(正確な診断には専門家による診察が必要ですので、このチェックだけで安易に決めつけないようお願いいたします。)
まず、両手の平を合わせて前に伸ばし、水泳の飛び込みの時のように前かがみの姿勢を取ります。
前から肩甲骨の高さを確認して頂き、もし左右の肩甲骨の高さが揃っていなくて、どちらかに傾いているような場合、側弯症の可能性があります。
以前に書いた側弯症についての記事でも触れましたが、側弯症には真の病気としての側弯症と、一時的で修正可能な側弯症があります。
しかし、私見になりますが、どうもこの2者の区別に明確な基準があるわけではないようです。
Sちゃんの場合、骨盤や足や腕にかなりの傾きや回旋、ねじれなどがありました。
骨盤や足や腕に歪みがあれば、それに合わせて背骨がねじれたり曲がったりするのは、病気でもなんでもなく、単なる物理法則にすぎません。
そうした物理法則に則った歪みの原因を取り除いてはじめて、本当に外科的治療が必要であるかが分かるはずなのです。
しかし、整形外科による数々の手術例のレントゲン写真を見ていると、せめて骨盤を正してから判断しても遅くないのに、どうして骨盤を治さないまま手術したのかな、と思うほど骨盤が歪んでいることがしばしばあります。
骨盤の歪みなど、まだ整体によって修正できそうな点がある場合、安易にコルセットを着けたり、手術を受けたりすることには私は反対です。
もちろん、整体では対応不可能な真の病気としての側弯症の存在を否定するわけではありませんし、そのための手術は必要だと思います。
けれど、やはり手術は、手術以外に治療方法がない場合に限るべきだと私は思います。
以下が、Sちゃんの3回の施術での変化です。
Sちゃんの施術には、ほかの方と比べて特別なことをしたわけではありません。
当院のいつも通りのやり方で、身体の土台となる足から順に、特にねじれた足、骨盤、腕を念入りに、全身を調整していきました。
その施術でここまで整ってきたということは、Sちゃんは真の病気としての側弯症ではないと言えます。
側弯症は一般的に10歳頃から成長と共に顕在化し始め、成長と共に側弯の程度も進行していきます。
大人になってから生じた歪みと違って、側弯症の場合、成長と共に側弯が進行しますので、歪みと成長がバランスを補い合って、筋肉の付き方などが偏ってしまいます。
そのため、成長と共に生じた側弯を、1回の施術で完全に左右対称な状態に治すことはまず不可能です。
普通の生活を送っていて、多少お子さんの姿勢が悪かったりゲームをやりすぎたりしたからといって、側弯症になることは通常ありません。
正確な原因を突き止めることは不可能ですが、おそらくごく幼い頃に何らかの原因が生じて、何らかの必要があって側弯になりながら成長せざるを得なかったものと思われます。
ですから、側弯症の治療としては、大もとの原因を取り除きながら、少しずつ、
「歪みが整っているほうが身体がラク」
だということを身体に覚えていってもらうのです。
側弯により疲れやすさや無気力などの影響が出ていますので、身体が整えば、身体は確実にラクになります。
身体は気持ち良さに従って整っていきます。
ですから、ラクで気持ち良い姿勢を身体で覚えることによって、身体は側弯でいることを手放していってくれます。
身体自身が整った身体でいたくなる日が来るまで、これから根気よく整えていきましょう。
施術が終わって立っていただくと、Sちゃん自身にはそもそも自覚症状がなかったため、
「うーん、よく分からないです・・」
という感想でした(笑)。
けれど、後日お母様から頂いたメールによると、Sちゃんは翌日からとても元気になったそうです。
これまでお母様がどんなにうるさく注意してもやらなかった部屋の片づけを、何も言われていないのにSちゃん自ら自発的に掃除し始めたそうで、お母様もとても驚いておられました。
このご報告をお聞きして、施術の効果がこんなにもすぐにハッキリ出てくれたことに、私もとても嬉しくなりました。
Sちゃんの貴重な青春時代が、身体の歪みのために本来の楽しさを味わうことなく、億劫さからやりたいと思うこともできないまま過ぎていくことになっては悲しすぎます。
Sちゃんの大切な学校生活を、健康で元気に楽しく過ごしていけるよう、お手伝いをさせて頂けるとこを、大変光栄に思っています。
お母様が書いてくださった感想です。
違和感や痛みの変化
(耐えられない状態を10、全く痛みのない状態を0とした場合)
頭の膨らみの左右の違い 整体前10 → 整体後8
背中の歪み・痛み 整体前8 → 整体後5
脚の左右の開きの違い 整体前10 → 整体後3
「これと言って強い症状があった訳ではないのですが、いつも片目でTVを見ているような、肩の高さの違いが気になるなどありました。
また、以前よりやる気が落ちて、本人も辛そうでしたが、一回施術して頂いたら、すぐにやる気が出て、本来の元気が戻りました。
フットワークが軽くなり、笑顔も増えて、良かったです。
側弯症があるようなので、しばらくお願いしたいと思います。
先生は以前学校の先生だっただけあり、子供の扱いに慣れている様子で、安心してお願い出来ます。
思春期の女子はいろいろ難しいところがありますが、優しく対話して下さり、有り難いです。」
(二回目の来院時にお母様が記入)
お母様、丁寧な感想を書いてくださり、ありがとうございました。
やる気や元気が出て、笑顔が増えたというのは、整体師として何より嬉しい効果です。
是非定期的に根気よく通って頂ければと思います。
中学3年生の女の子と聞いて、難しい年ごろかなと思ってお迎えしたのですが、Sちゃんはとても素直でまっすぐな優しい女の子で、お話していてとても楽しかったです(^ ^)
Sちゃんの大切な学校生活が悔いなく送れるよう、これからも微力ながらお手伝いができれば、この上ない幸せです。
Sちゃん、お母様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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