自分の体の変化を自分で感じることで、整体の効果は高まる(自分の体のことは自分が一番分かる)
今日はお客様のご感想のご紹介です。
横浜市からお越しのN様は翻訳業を営まれていて、落ち着いた知的な印象の方です。
翻訳業と言うと、想像力が乏しい私には、辞書と原稿用紙を広げて机に向かっているようなイメージしか湧いてきませんが、
実際のN様のお仕事は複数の大きなパソコンのモニターに向かっての作業がメインなのだそうです。
野口整体にも関心をお持ちで、野口晴哉さんのお弟子さんにも人脈をお持ちとのことですので、かなりの整体通でいらっしゃいます。
大きなモニターが負担になるのか、首と肩のコリにお悩みでご来院されました。
今回はいきなりですが、まず先にN様の感想を先に掲載させて頂こうと思います。
なぜかと言うと、N様のご感想の中に、当院の施術のポイントとなるコメントがあったからです。
N様の書いてくださった感想です。
痛みやお悩みの変化(耐えられない状態を10、全く問題のない状態を0とした場合)
首(こり) 整体前5→整体後0
肩(こり) 整体前5→整体後0
軽く触れてもらっているだけで、ふっと痛みが消えていき、驚きました。
最後にはどこが痛かったのか忘れてしまったくらい…
施術中は自分の身体の感じ方に常時耳を傾けているので、ゆっくり眠っているわけにはいきませんが(笑)、
一時的な楽さではなくもっと深いところで軽やかになりました。
(整体師の印象は)とても穏やかで居心地がよかったです。
N様、嬉しい感想をありがとうございました。
N様は当院の整体を気に入ってくださり、その後も定期的に通ってくださるようになり、
さらには後日、ぎっくり腰の後遺症にお悩みのパートナー様もご紹介くださいました。
お二人で、「どこが痛かったのか分からなくなっちゃうよね」と喜んでくださっているのを見て、大変嬉しかったです。
※当院では、男性の方への施術は、リピーター様のご家族やパートナー、中学生以下のお子様に限らせて頂いております。また、男性の方への施術の際は、ご紹介者様の同席をお願いしております。
さて、上記のN様の感想の中に、
「身体の感じ方に常時耳を傾けているので、ゆっくり眠っているわけにはいきません」
というコメントがありました。
そうなんです、当院の整体では、お客様を眠らせません(笑)。
気持ち良くてウトウトしてしまう方もいらっしゃるのですが、いちいち起こしています(ゴメンナサイ)。
当院の整体では、まずお客様のお身体の特定の箇所を軽く押して、違和感があるかどうかをお客様に確認して頂きます。
その後施術をして、施術の結果、違和感がどう変わったかを、再びお客様に確認して頂きます。
ですから、N様が感想に書いてくださったように、お客様にはその都度違和感の感じ方をお聞きします。
最初に押した時の感じ、施術してそれが多少なりとも変わったかどうか、さらに、その違和感が完全に取れたかどうか・・。
なぜそのようなことをしているかといいますと…、
お身体に歪みや強い引っ張り合いなどの問題があると、問題のある箇所を軽く押した時に違和感を感じます。
ですから、違和感の有無によってお身体の問題が解消したかどうかが分かるからです。
通常、何も身体に問題がない時には、軽く押しても「押されているな」という感覚しかないものですが、問題がある箇所を押すと違和感を感じるのです。
この違和感を感じる箇所は、肩や腰など症状のある箇所とは全く無関係の、思いもよらないような場所です。
違和感の種類としては
①痛み(激痛だけでなく、ツーンとする痛みとか鈍痛とかごく軽い痛みなど、様々な種類の痛み)
②不快感(イヤな感じがするから触らないでほしいと思うような感覚)
③くすぐったさ(くすぐったさは、主に身体に緊張が強い時に感じます)
④イタ気持ちいい(イタ気持ちいいのは良いことのように思いますが、本当に問題がなければ「押されている」という感覚しかないはずですので、これも違和感の一種です)
などがあります。
さらには対応する左右同じ箇所を押して、左右どちらのほうが違和感が強いかをお聞きすることもあります。
そのような違和感があるかどうかを、ある特定の箇所を押して確認していき、違和感が全て取れるまで施術を繰り返すのです。
違和感が完全に取れた時、前回の記事でご説明した「身体に生じた流れ」が完全に消えるのです。
違和感の有無はお客様にお聞きしなければ分かりませんので、お客様は受け身のまま眠っていればいい、というわけにはいきません。
常にご自分の身体の感覚に耳を傾けて頂き、違和感の変化を確認して頂いています。
施術自体は気持ち良くてウトウトしてしまう方が多いので、お客様を起こすのは私自身とても心苦しいのですが、
お客様自身の感覚が一番正しいので、心を鬼にしてあえて起こすようにしています。
実は、私も開院当初は、お客様を起こすのが忍びなくて、違和感の変化をお聞きしていなかったのです。
実際とのころ、お客様にお聞きしなくても、私自身の手の感覚として、お身体の流れが消えたかどうかは分かります。
だから理論上は、お客様にお聞きしなくても、私自身の感覚に頼って施術しても、効果は同じはずなのです。
けれど、ある時、ふと思うところあって、お客様に違和感の変化をお聞きするようにしたところ、
違和感の変化をお客様ご自身に確認して頂くほうが、整体の効果が高く、お身体への作用が深いことに気付きました。
それどころか、違和感の変化をお聞きするようになってからは、お客様から
「今日はすごくパワフルですね」とか、
「井川さん、パワーアップしましたか?」などと言われるくらいに、
整体の効果に明白な違いがあったのです。
これは私にとって、大きな発見でした。
たとえ、私がどんなに精進して上手にお客様の身体に耳を傾けることができるようになったとしても、
その身体の声を確実に正確に聞き取ろうとするならば、お客様が自分で自分の身体を確認するに勝るものはないのだと思うのです。
自分のことを一番分かるのは、やはり自分以外にないのでしょう。
そのため、お客様の違和感がなくなるまで、私が途中で施術を切り上げることはできません。
つまり、当院の整体は、私の都合で施術を早めに終わらせたり、急ぎ足で施術のペースを上げることができない、完全にお客様本位の整体だということになります。
だから、「治す」整体ではなく、「治る」整体なのですね。
ですから、お客様を眠らせてあげられなくて申し訳ないのですが、それは整体の効果を十二分に発揮させるため、つまりは、お客様のためです。
どうぞご理解くださいね。
ちなみに、余談ですが、この自分の感覚に耳を傾けるのは、得意な方と苦手な方がいらっしゃいます。
(野口整体の体癖理論でいうところの、11種過敏型・12種遅鈍型の分類にあたります)
感覚がもともと鋭敏で、身体のほんのちょっとした変化を鋭く察知し、自分の身体で何が起こっているか分かる敏感な方もいらっしゃる一方で
ものすごく肩がこっているのに全く自覚がなかったり、身体が歪んでいても辛くないなど、自分の身体に起こっていることに鈍感な方もいらっしゃいます。
敏感な方は、例えば低気圧が近づいただけで身体の具合が悪くなるなど、ほんのちょっとした自分や周囲の変化を感じ取れるので、不調を感じやすく、現代社会では生きづらい面がありますが、
その分、日々の些細な身体の異変にすぐ気づいてケアできるので、命にかかわるような病気の発見が遅れるような、決定的に重い病気にはかかりにくいと言えます。
一方、鈍感な方は、肩がこっていても身体がガチガチでも、多少身体に異変が生じていても無理がききますので、社会生活に適応しやすいといえます。
ただし、その分気付かないうちにオーバーワークになりやすく、病気ひとつしなかった人なのに気付いた時には手遅れ・・ということが起こりやすくなります。
当院の施術を受けても、敏感な方は、施術による身体の変化をその都度実況中継してくださいます。
私が上半身に触れているのに「あっ、今足がツーンとしてきました。あっ、足全体があったかくなってきました。あっ、足の変化が終わって腰に移動してきました。あっ、内臓が動いている感じです」などなど、詳しく教えてくださいます(笑)。
一方、本当に鈍感な方は、私が押した時の違和感を「痛み」として感じることが少なく、せいぜい「うーん、ちょっとくすぐったい・・かな?」のような反応をされます。
施術中にも、敏感な方のように、ご自身の身体で起こっている変化を感じ取ることはあまりありません。
人間の身体は、本当に人それぞれで、皆同じではないので、面白いです(^ ^)
鈍感な方は、ご自身の身体の変化を感じ取るのが苦手なので、施術中お聞きする違和感の変化をとらえるのを少し面倒くさく感じるかもしれません。
でも、苦手であっても、慣れていないだけで、必ず分かりますので、この機会にお身体の声を聞くことに親しめるようになってくださいね。
そうすることで、今後一生付き合っていくご自分の身体の声を聞けるようになり、病気などの異変の芽を早くとらえられるようになるからです。
野生動物は皆そのようにして身体の声を聞き、体調を管理しているのですから、人間もできますよ♪
N様、このたびは貴重なご感想をお寄せくださり、ありがとうございました。
N様のコメントのおかげで、当院の整体について説明するきっかけとなり、大変感謝しております。
当院の整体は、整体師に完全にお任せしてしまう整体ではなく、自分の身体の変化を自分で感じ取り、自分で「治る」整体です。
だからこそ作用も深く、お客様の満足度も高いのです。
是非一度お試しくださいね
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