休息の大切さと 森田療法
この年末年始はガッツリ休むと決めて、年賀状も例年よりは"多少"早めに済ませて、おせち料理も作らずにひたすらダラダラしました。
こんなにダラダラしていいのかなと思うくらいダラダラしました。
これまでさすがにおせち料理をサボったことは一度もなく、
「やっぱり縁起物だし」とか「日本の伝統だし」とか「子供達に日本のお正月を味あわせてあげなきゃ」とか色々思ってこれまで頑張ってきたのですが、
今年は思い切っておせち料理もやめました。
伝統的な風習をやめてしまうのって、どこか罪悪感を感じるものですね
でも、年末の貴重なお休みの一日が料理だけで終わってしまうし、
ガッツリ重いおせち料理で毎年胃がもたれて、お正月はいつも胃薬のお世話になっているし、
子供達の好みではないので食が進まず、毎年おせち料理はたっぷりあるのに「お腹すいたー」と言われるし(笑)、
とか色々考えると、疲れのたまっていた今年は、どう考えても休むことが優先だと思えたので、
思い切って今年はやめてみました。
そもそも、おせち料理が庶民に普及した江戸時代は、おせち料理は家庭料理ではなく、お惣菜やさんが売り歩くものだったそうです。
たしかに家電製品や便利な調理器具のない時代にあんなに手の込んだものを何品も各家庭で作ることは、不可能に近かったと思います。
そんなわけでおせち料理をやめてみたところ、今年の年末年始は、時間に追われることなく心行くまでのんびり過ごすことが出来て、
子供達にも好きなものをたっぷり食べさせることが出来て、
ものすごく満足度の高い年末年始になりました。
そればかりか、「あれやらなきゃ」「これやらなきゃ」という義務感から解放されて気が済むまで休むと、
それまで腰が上がらなくて先送りにしていた面倒くさい作業(掃除とか)にすんなり取り掛かれたりして、自分でもビックリです。
先送りしていた作業の中には半年くらい前からずーっと気になっていて、「いつかやらなきゃ」と思いながら放置していたこともあったのですが‥。
そんなことがあって、自分にはまず休養が必要だったんだなあと改めて気付かされました。
私の整体院の仕事は、通勤もなく拘束時間も少なく肉体労働というわけでもなく、家事や育児と両立できる範囲でやっているので、
そんなに疲れることはしていないと思っていましたが、自分で自覚している以上に気持ちが休まっていなかったのかもしれません。
「いつかやらなきゃ」「あれをなんとかしなきゃ」という気持ちがあるというのは、常に心に荷物を背負っているのと同じこと。
常に、なんとなくストレスを感じて生活していたのですが、長い間気になっていた作業をこなすことができたことで
その心の重荷からも解放されて、いつになくスッキリした気持ちです。
そこで思い出すのは「森田療法」です(…随分と話が飛躍しますが…(´∀`)ゞ)
「森田療法」とは、精神科医の森田正馬さんが考案した日本が誇る神経症の治療法で、自律神経失調症・パニック障害・対人恐怖症などの様々な種類の神経症に有効です
近年では、神経症だけでなく、うつ病やガンなど、様々な病気の治療にも応用されているそうです。
ごく簡単に説明しますと、「森田療法」では、
絶対臥褥(がじょく)期(=絶対安静期。患者さんを食事やトイレや入浴以外ひたすら布団で寝て過ごさせる)から
軽作業期(あえて、ごく簡単で単純な頭を使わない作業しかやらせない)、
そして、作業期を経て、徐々に社会生活へと復帰させることを目指していく過程を経て、神経症を治療していきます。
神経症の患者さんは、自分の神経症の症状を「なくそう」と努力してしまいがちなのですが、
「なくそう」とすればするほど、自分の意識は症状にとらわれてしまい、症状は悪化してしまいます。
しかし、森田療法の絶対臥褥期から社会復帰に至るプロセスを経ることで、
「~しなければならない」という発想や、理想の自分と現実の自分のギャップに苦しむことから解放されて、ただ淡々と目の前の仕事に没頭していくことによって
次第に「あるがまま」の自分にOKを出せるようになっていくのです。
森田さんは著作の中で、しきりにこの「あるがまま」という言葉を使っておられます。
医者がいくら「あるがままの自分を受け入れなさい」と言っても、
患者は「あるがままを受け入れられない自分」を責め、かえって自分を追い詰めてしまいます。
森田さんは、森田療法によって、患者が自然と自分らしく「あるがまま」に生きられるように導いたのです。
そういう意味では、私の今年の年末年始は、プチ森田療法を行っていたと言ってもいいかもしれません。
「~しなければ」「~すべき」という思考や義務感から解放されてひたすら休むことで、
これまで先送りしていた作業を「やらなきゃ」ではなく、自然と「やりたい」と思えるようになったのでしょうね。
「~するべき」と思いながらする仕事よりも、「やりたい」と思える仕事ができる人は幸せです。
けれど「やりたい仕事」ができる人は、ごく限られた恵まれた人だけだと思っていませんか?
実は、十分に休息を取り、「~するべき」という義務感やプレッシャーでがんじがらめになった思考から解放されてみると、
人は、これまで自分を鼓舞しムチ打たなければ取り掛かれなかったような仕事に、拍子抜けするほど淡々と抵抗なく取り掛かれるようになるものなのです。
(もちろん持って生まれた向き不向きはありますが)
そういう意味では、ブラック企業がブラック企業たりえるのは、その仕事内容もさることながら、
社員が気持ちよく仕事に取り掛かれるほどの休息を与えていないことに一番の問題があるのです。
当院のお客様への施術後は「帰宅後は仕事や家事などは出来る限りサボって、出来る限りダラダラしてください」と必ずお伝えしています。
「今夜の夕食は店屋物やスーパーのお惣菜を買うなど、出来る限り手抜きをしてください」と言うと、苦笑したりビックリされる方もいらっしゃいます。
けれど、整体の施術後にほとんどの方が経験する身体のだるさや眠けは、身体の要求であり、「絶対臥褥期」を身体が求めているということです。
ですから、自分では義務だと思い込んでいるけれど、「本質的には人に任せても問題のないようなこと」は、身体の回復のために堂々とサボるべきなのです。
施術後のだるさが3日ほど続いた後は、驚くほど心身がスッキリ爽やかになり、動きやすくなった、というのも、多くのお客様に共通する感想です。
そういう意味でも、当院の整体は、単に肩こりが治るとか、もんでもらって気持ちいいだけ、という施術とは根本的に性質が異なります(もちろん肩こりは治りますが、それは心身の回復全体の中のごく一部です。そもそも「もまない」ですしね)。
当院の整体は歪んだり緊張したり張りつめていたお身体を緩めることによって、
物理的に「絶対臥褥」のスイッチを入れ、自発的な心身の回復を促していると言えるかもしれません。
ですから、当院の施術を受けた方の多くは、身体のお悩みが解消していくだけでなく、心の重荷が取れて、心が健やかに爽やかになっていくのです。
…と、おせち料理をサボった話から、心身の癒しの話へと、強引に話をまとめてしまいましたが(´∀`)ゞ
新しい年の初め、是非当院で心身をリフレッシュして、気持ちよく一年をスタートさせてみませんか?
本年も整体処せせらぎをどうぞよろしくお願いいたします。
皆様に施術できますことを、心より楽しみにお待ち申し上げております。
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