ローヒールパンプスの時代が来ました!

先日美容院でファッション誌を見ていたら、ちょっとうれしい発見がありましたので、今日はそのご紹介です。

美容師さんが何冊か用意してくださった雑誌の中の一冊の表紙に、おおっ!!と気になるワードがあったのです。


それは・・・


靴選びの新基準は「1cmヒール」!


という特集。



さらには

「ラクだから」だけじゃなくて、「おしゃれだから」履く!

「1cmヒールのきれいめおしゃれ」大研究62p!



これは気分が上がりました!

私は流行には疎いので、私が知らなかっただけで、もしかしたら読者の皆さんはとっくにご存知のことかもしれませんが…。

すぐに美容師さんに許可をいただいて写真を撮らせていただきましたが、これは手元に置いておきたいと思ったので、帰り道に早速購入してしまいました。


ところで、何センチからローヒールで、何センチからハイヒールと呼ぶかは、明確な定義がなく、人によってイメージするヒールの高さが違うと思いますが、この記事の中では便宜上、

・ローヒール=踵を意図的に高くしていない靴(せいぜい2センチ以下)

・ハイヒール=何センチヒールだろうと、踵を意図的に高くしている時点でハイヒール

というイメージで二つを区別しています。


その雑誌とはoggi6月号(2018年)です。

ナチュラル系や主婦系の雑誌ではなく、どちらかと言えばバリバリのキャリアOLが読者層の雑誌です。

これまで、主婦やナチュラル系のオシャレをする方向きには、足に優しく履きやすさを追求した靴が流行することもありましたが(ビルケンシュトックとかカンペールとか)

私が知る限りでは、キャリアOLさん向けのローヒールパンプスの流行は聞いたことがありません。

(流行に疎い私が知らないだけで実際には流行っていたのかもしれませんが…)

早速ワクワクしてページをめくったところ、何十ページにもわたってローヒールパンプスの特集が組まれていて、すごく読み応えがありました!


当院では、ハイヒールを履く習慣のある方には、出来るだけハイヒールをやめるようにお勧めしています。

でもハイヒールを好んで履く方は、ローヒールは野暮ったいと感じるようで、履く気になれないと言われることが多々あるのです。


また、ハイヒールを履かないようにしているお客様からも、

「ジーンズの時はスニーカーを履くし、冬場はぺたんこブーツを履くからいいけど、

春の時期のスカートにスニーカーは合わないから、何を履けばいいかわからない」

と言われることもあります。


この雑誌には、そんな方が参考にできるコーディネイトが沢山載っています。

私も、ローヒールが流行してくれれば、お客様に安心してお勧めできます。


しかも!!

日本だけで流行ってるというようなガラパゴス的な流行ではなく、

シャネル・グッチ・ディオール・エルメスなど、世界の名だたる一流ブランドが、今期はこぞってローヒールパンプスを出しているのだそうです!


あ、別に私自身がハイブランド好きという訳ではないですよ!(そもそも買えないし笑)

ただ、ファッションの流行って、ほとんどがハイブランドのコピ…ゲフンゲフン…インスパイアですので、

ハイブランドが流行らせてくれないと、安いメーカーでは誰もローヒールパンプスを作ろうとしないですからね。

だから、ハイブランドから率先して足に優しい靴を作って流行させてくれるのが一番良いのです。


そして、見た目もすごくカワイイのです!

足に優しい健康シューズにありがちな野暮ったさはなく、すっきり綺麗なシルエットで、前から見る限りローヒールだとは分かりません。

普段雑誌のハイヒール特集は見向きもしない私もさすがに、素敵だなあと思うデザインがたくさんありました!


中身を載せるのはさすがにダメだと思いますが、このくらいならいいかな。

(ボカしすぎてワケが分からないと思いますが、本当にハイブランドが出しているということをお伝えしたくて。)


いろんな映画のヒロインが履いていたローヒールパンプスの紹介もされていて、

「ローマの休日」でオードリー・ヘップバーンさんがデートの時履いていたのはローヒールパンプスだったそうです!(知らなかった!)


ああ、この流行、嬉しいなあ!!

これで、お客様にも胸を張ってローヒールをお勧めできます。


私はこのブログでも「ハイヒールの害」「パンプスの害」「ミュールの害」などの一連のタイトルで足や体に悪い靴について延々語ってきたくらい、靴にはうるさいのです。

当院の初診のお客様がお越しになった時には、玄関でお迎えする時にこっそり靴をチェックしています(笑)。

ハイヒールを履く習慣や頻度についても必ずお聞きしています。

そして、ハイヒールとブラジャーについては、ほぼ必ず、体の歪みとの関連性をお伝えしています。

ハイヒールが大好きなお客様にはうっとおしいかもしれません。

でも、ローヒールが流行していれば堂々とオススメできるので、とてもありがたいです。


開業以来延べ千人以上のお客様のお体を見てきましたが、

高いハイヒールをよく履く方や、ワイヤー入りのきつい寄せ上げ系のブラジャーをしている方は、お体の不調が多い上に、整いにくい傾向があると確実に言えます。

ハイヒールにしても、きついブラジャーにしても、骨がゆがむんですよ。


外反母趾だけでなく、O脚になったり肋骨が左右非対称になったり。

その結果、姿勢も悪くなりますので、結果的にバストの形が悪くなったり内臓下垂でおなかポッコリになったりします。

足が歪めば骨盤も歪みますから、生理痛や不妊症の原因にもなります。

乳がんとも無関係ではありません。

30代以上の方は深く共感してくださる方が多いのですが、

若い人はそのくらい歪んでいても、痛みなどの自覚症状がまだ出ていないことが多いので、実感がわかない様子のことも多いです。

それでも、必ずハイヒールとブラジャーについてはお話しするようにしています。


あ、スミマセン、せっかくファッションの楽しい話だったのに、結局、こと整体の話になると、熱くなってしまいます

でも多分、このローヒールパンプスの流行は、近年欧米で起こった反ハイヒール運動と無縁ではないと思います。


そもそもの発端は、2016年にイギリスで、一人の女性がハイヒールを履かなかったために職場をクビになったことでした。

彼女がフェイスブックでそのことを訴えたところ、瞬く間に全世界の女性の共感を得て、SNS上に反ハイヒール運動が起こったのです。

さらには、その運動のさ中に行われたカンヌ映画祭で、女優のジュリア・ロバーツさんが裸足でレッドカーペットを歩いて、大きな反響がありました。

その後行われたベルリン映画祭では、レッドカーペットでのドレスコードがなくなったとのことです。


ハイヒールにNOという風潮は、この数年で欧米から始まって今や全世界的な女性の声になっています。

ですから、ハイヒールでつらい思いをしながらも、これまで声をあげられなかった女性が声を上げ始めた現在は、

ローヒールパンプスが流行する必然性があったのだと思います。

ですから、おそらくこのローヒールパンプスは、一時的な流行ではなく、靴のスタイルの一分野として残っていくのではないかと思いますし、残すべきだと思います。


男性と同じ仕事をしているのに、職務規定でハイヒールを履かなければばらないという方は、当院のお客様にも多いです。

いくらハイヒールをやめるように私がお話しても、こうした職業の方にとってはハイヒールをやめることは不可能です。

これは、ものすごく前近代的なことだとずっと憤りを感じていました。


ハイヒールが好きな人や、ハイヒールを履きたい人の権利を奪え、ということではありません。

ハイヒールはやはり素敵ですし、私も履けば気分は上がりますので、短時間のオシャレの時には履くこともあります。

でも、ハイヒールを履きたい人は履けばいいし、ハイヒールを履きたくない人は履かなくてもいい。

そのくらいの許容性を社会が持ってもいい頃だと思います。

ましてやハイヒールを履かないから仕事をクビになるなんてバカげています。

女性の健康を損なうかもしれないようなことを、職務規定で縛るようなことはあってはならないことだと思います。


もちろん、夏場の男性のスーツやネクタイなど、日本の気候にそぐわない服装規定も同様だと思いますし、女性だけが虐げられている、ということではありません。

それでも、女性の健康を損なう靴を職務規定とすることは絶対に反対です。


あ、そうそう、ただし、ローヒールパンプスを選ぶ際は、

「かかとと甲をしっかりホールドする」

という観点を忘れないでくださいね!

たとえローヒールであっても、かかとに押さえのないミュールはダメですよ!

あと、パカパカしないように、なるべく甲を押さえるストラップのあるものを選んでくださいね!

かかとや甲に押さえがないと、脱げないように無意識に足に力が入ってしまい、歩き方や姿勢が悪化してしまうからです。


当院では体に優しく健康的なファッションを推奨していますが、それは、健康のためにオシャレを犠牲にしろ、ということではないつもりです。

私はもうあんまりオシャレとか言うようなトシでもないのですが、それでも、いくつになっても、オシャレや美容は、女性を元気に綺麗にするエネルギーの源になる大切な要素だと思っています。

健康を犠牲にしてまでオシャレや美容を追求することは間違っていますが(そもそも健康を犠牲にした美容というのは成り立ちません)、

健康とオシャレを両立できるような、今回のようなローヒールの流行は大歓迎です。

これからも、健康と両立する形のオシャレや美容をいつも応援していきたいと思っています