締め付けるブラジャーが肋骨の歪み・呼吸の浅さ・疲れやすさを招いていた症例(+乳がんについて少し)
横浜市からお越しのS様は20代の大学生さんですが、肋骨の左右の形の違いや左の肋骨の出っ張りを気にして来院されました。
その他、肩こり・疲れやすさ・足を組むクセなどがあり、全体的に身体が歪んでいるような感覚があったそうです。
お身体を拝見すると猫背や軽い側弯症などが見られ、全体的に身体が左右に傾いていて、左肩を前に巻き込んでいて、確かに肋骨の出っ張りや歪みが見られました。
こういう方は華奢で身体が柔らかく、些細な身体の使い方のクセから簡単に身体が歪んでしまう傾向がありますが、
身体が柔らかい分、数回の施術と、日々気を付けることや身体の使い方のアドバイスをするだけで、あっけなく整ってくれることが多いのです。
S様の場合は若いということもあって、施術に対する身体の反応もとても良く、私のアドバイスにも真面目に取り組んでくださったので、2回の施術でほぼ全てのお悩みが解消しました。
↓仰向けに寝た時に、緊張の強い右足は内股になってしまっていましたが、それも自然に両足が開くようになりました。
↓肩の傾き、左肩の巻き込み、肩甲骨の角、ウエストが一番くびれている位置、手の長さの違いなど、いずれもほぼ綺麗に整いました。
左右の脚にバランスよく体重を乗せず、どちらかの脚に重心をかけて立つクセがあると、重心をかけているほうのウエストのくびれの位置が高くなってしまうのですが、
施術後、左右の脚でバランスよく立てるようになった結果、ウエストのくびれの位置も左右揃いました。
S様への施術そのものはとてもスムーズなものでしたので、特筆するような難しい箇所もなく、比較的軽い症例でしたが、
肋骨の歪み方についてはとても気になるものがありました。
明らかにブラジャーの悪影響があると思われたのです。
S様の肋骨はアンダーバストのワイヤーが当たる位置が、ワイヤーの形に沿ってひどく凹んでいました。
軽い側弯と左肩の巻き込みのために左の肋骨のほうが出っ張っていたこともあり、
アンダーバストから下は肋骨がかなりデコボコになっており、左右の肋骨の形はかなり顕著に違ってしまっていました。
ワイヤー入りや寄せ上げ系の締め付けの強いブラジャーを使っている方の中には、アンダーバスト周辺の肋骨が変形している例が珍しくありません。
肋骨はとても柔らかい骨で、猫背など前かがみの姿勢や、側弯症による身体のねじれなどによって簡単に歪んでしまうくらいです。
そんな箇所をワイヤーやゴムによって日常的に締め付けていれば、アンダーバスト周辺の肋骨が歪んでしまっても、何ら不思議ではありません。
また、肋骨が凹んだり左右差が生じたりすると、内臓のスペースがなくなって内臓が下垂してしまうこともあります。
さらには、肋骨の歪みは呼吸に影響を与えます。
事実、肋骨の歪みや左右差を訴える方のほとんどは、呼吸が浅く、深呼吸がしづらく、疲れやすいことにお悩みです。
酷い方の場合、きついブラジャーをやめたらパニック障害や過呼吸が改善したという例さえあります。
これは肋骨の歪みのために胸がうまく広がらず、肺にしっかり空気が入って来ていない、
つまり、酸素が足りていないのです。
S様の疲れやすさも、身体の歪みだけの問題ではなく、ブラジャーの締め付けにより深い呼吸ができないことも一因だと思われました。
試しにその場でお腹を凹ませながら姿勢を正し、胸を思いっきり持ち上げて広げるようなイメージで、ゆっくり深く長く、息を吸い込んでみてください。
想像以上に肋骨が膨らみ、胸が広がることに驚かれる方も多いのではないでしょうか。
これだけ大きく開閉する胸の動きにブラジャーが柔軟に付いてくるのは難しいですし、
特にワイヤー入りや寄せ上げ方向に圧迫するようなブラジャーは、深呼吸によって胸が大きく開閉することを前提に設計されていません。
呼吸は私達生命体が命をつなぐための最重要事項です。
どんなに健康な人も呼吸をやめれば死んでしまいます。
どんなに栄養や運動に気を付けても、呼吸が浅くて酸素を十分に取り込めないのでは、元も子もありません。
胸を締め付けて、最重要事項である深い呼吸を妨げるようなものを日常的に着用するのは間違っていると私は思います。
さてS様には、以下のことをお願いしました。
・ワイヤーの入ったブラジャーや締め付けるブラジャーをやめる
(買い替える余裕がなければ、最低でも手持ちのブラジャーからワイヤーを引き抜く)
・出かける予定のない時や、夜寝る時などのリラックスタイムは、可能な限りブラジャーを外す
・胸を開いて深く呼吸ができるよう、正しい姿勢や呼吸法などをできるだけ実践する
S様が真面目にこれらのことを実践してくださったところ、2回目の来院時には、初診時の大半のお悩みが解消していました。
アンダーバストの肋骨の凹みや左の肋骨の出っ張りも随分整い、疲れやすさも改善していましたので、早くも2回目からメンテナンスに移行できました。
足を組まなくても真っすぐに座れるようになり、肋骨の歪みや肩こりや疲れやすさも気にならない程度になりました。
S様が若くて身体が柔らかいことで施術への反応が良いということもありますし、それだけブラジャーの影響が大きかったとも言えると思います。
S様が3回目の施術後に書いてくださった感想をご紹介します。
痛みやお悩みの変化
(耐えられない状態を10、全く問題のない状態を0とした場合)
肩こり 整体前7→整体後0
ろっ骨のでっぱり 整体前8→整体後0
あごのクリック音 整体前9→整体後3
「はじめは肩こりやろっ骨のでっぱりが気になり、来院しました。
私の場合、1回行くと必ずすべての症状が改善し、姿勢も良くなるため、
時間ができたときに行くようにしています。
これからもよろしくお願いいたします。
(整体師は)すごくていねいな施術をしてくださりとても落ちついて受けられます。」
S様、嬉しい感想を書いてくださりありがとうございました!
S様はいつも私のアドバイスをまじめに実践してくださるので、お越しになるたびに症状が改善して元気になられているので、私もとても嬉しいです。
これからも、S様のペースで必要な時にいつでもメンテナンスにお越しくださいね!
今後ともよろしくお願いいたします。
(※なお、S様の感想の中にある「あごのクリック音」のお悩みは初診時にはなかった症状なのですが、この感想を書いて頂いた3回目の来院日の直前に、S様が他院で力を使う小顔矯正を受けてから鳴るようになってしまったものです。この件については、ここで詳しくご紹介するには問題が大きすぎるので、また後日、別の記事にまとめたいと思います。)
当院ではこれまで大勢のお客様に、きついブラジャーをやめたり、リラックスタイムは可能な限りブラジャーを外すことをお勧めしてきました。(ナイトブラは論外)
その結果、
「呼吸が深くなった」
「バストや脇周辺のピリっとした痛みや不快感がなくなった」
「熟睡できるようになり、夜中に目覚めなくなった」
「疲れにくくなった」
「胸がしっかり開き、むしろバストアップした」
「猫背が改善され、姿勢が良くなった」
「肩こりが起こりにくくなった」
など、ほとんどの方が沢山の良い変化を実感してくださっています。
ちなみに「バストや脇周辺のピリっとした痛みや不快感」はS様にはなかった症状ですが、何人もの方が実感されていることで、大切な内容ですので併せてここに補足しておきます。
このようなピリっとした電気的な痛みや不快感は、筋肉のコリや緊張からは生じません。
これは神経やリンパ節の痛みです。
リンパ節とは、全身の老廃物を回収して排出するための老廃物の通り道であるリンパ管の途中にある免疫器官で、バストのすぐ脇にもあります。
病原体などの異物が侵入した時に、リンパ節を腫らして、全身に病原体が循環しないように食い止めている、身体を守るための大切な器官です。
この大切な神経やリンパ節を、締め付けるブラジャーが圧迫して刺激を与えている可能性があるということです。
当院のお客様には、乳がんの既往歴のある方がこれまで何十人かいらっしゃっているのですが(比率としては想像以上に多いです)、
乳がん発症前からバストを触るのが痛くて苦手だったとか、着替えで触れるだけでもゾッとするほど不快だったとおっしゃる方が多いのです。
それは、乳がん発症前からすでにバスト周辺の血行が悪く、神経やリンパ節の圧迫があって過敏になっていたのではないかと思えてなりません。
このような方には、ピリっとした痛みや不快感以外に、バストが全体的に緊張して硬い印象があり、バストにコリや圧痛点(押すと痛い箇所)がたくさん見つかります。
このコリや圧痛を施術で解消して、さらに締め付けるブラジャーをやめると、バストはふわふわに柔らかくなり、触るのも不快でなくなるため、驚かれる方も多いです。
中には、小学生でブラジャーを付け始めた時からずっとこのピリッとした痛みに悩まされていたのが、ブラジャーを変えたとたんに痛みから解放された方もいらっしゃいます。
多くの女性がバスト周辺は押すと痛いものだと誤解していますが、血行がよくて、大きなホルモンバランスの変化がない時のバストは押しても痛くないのです。
私はブラジャーの締め付けと乳がんは無関係ではないと思っています(もちろんブラジャーだけで乳がんが防げるとは思っていませんが)。
もしこの記事をお読みの方がブラジャーを買い替える場合は、とにかく締め付けが少なく、ゴムをなるべく使っていないものを選んでくださいね。
ちなみに私は使っていませんが、ユニクロのノンワイヤーブラは比較的安価で、ゴムが使われておらず、食い込みや締め付けがないので、多くのお客様からとても評判がいいですよ♪
(※画像お借りしました。)
ただし同じユニクロでも、ハーフトップやスポーツブラ(タンクトップが短くなったような形状のもの)、
ブラキャミソール・ブラタンク(キャミソールやタンクトップにブラがくっついたもの)は、
アンダーバストのゴムの締め付けがとても強いのでお勧めできません。
また、ブラジャーを買い替えるのは予算的に難しいという方は、最低でもワイヤーを引き抜いてくださいね。
どうか、たかが下着と侮らず、大切なバストを守るために、騙されたと思ってブラジャーはできるだけ締め付けないものを選び、
リラックスタイムはできるだけ外し、
できるだけ胸を大きく開いて深く呼吸をすることを意識してみてください。
バストの感触の変化や、体調の改善に驚かれる方も多いと思いますよ
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