ミュールの害
今日はミュールやスリッパ状のサンダルの害についてお話します。
無意識に足指を曲げてしまう靴
この類の靴は、踵に押さえがありません。
押さえがないので、歩くと常にパカパカしてますし、気を抜くとスッポ抜けてしまいます。
特に後ろ足で地面を蹴るとその拍子に脱げてしまうので、靴が脱げないよう、ズルズルと足を引きずるような歩き方になってしまいます。
この時、靴がスッポ抜けないように、足は無意識のうちに、常につま先に力を入れてしまいます。
つま先に力を入れたからって脱げないというものでもないと思いますが、やっぱり無意識に靴を足指で掴もうとしてしまうのか、どうしても力が入ってしまいます。
もしくは、指を曲げることで靴の内側にアンコを詰めるような感じになるので、無意識に足指を靴の内側に引っかかりやすく、脱げにくくしているのかもしれません。
いずれにしても、つま先に力が入ってしまうと、自然と足指でグーを作るように、指が曲がってしまいます。
それだけなら、足指が疲れるというだけで済むかもしれませんが、残念ながらそれだけでは済みません。
人間の足は、足指を曲げて歩くようには設計されていない
人間の足は、足指をしっかり伸ばし、足指の付け根で後ろ足を蹴り上げて歩行するように出来ています。
骨も筋肉も、そうやって歩行するように設計されています。
足指を曲げて力を込め、後ろ足を蹴り上げずに引きずるようにして歩くようには出来ていないのです。
それなのに、足指を曲げて歩いているとどうなるか・・・。
皆さん、今その場で、足の指をグーの形に曲げてみてください。
足の甲が伸び、足の裏が縮むのが分かると思います。
甲が高くなり、土踏まずのすきまが大きくなるようなイメージです。
その状態では足裏が体重を支えることはできませんし、立つことも歩くこともできませんよね。
そのため、体重をかけても大丈夫なように、足指を曲げたまま、足裏や足の甲を伸ばそうとするような力が足にかかります。
つまり、足指は足を丸めようとし、足の甲は足を伸ばそうとし、足指と足の甲が互いに押し合うような状況になります。
すると足指と足の甲が押し合う境目となる、足指の付け根で足指の細かい骨がズレて、ハンマートウという状態になります。
つまりハンマートウは、ただ単に足指を曲げる癖がついているというだけのものではありません。
足指と足の甲が押し合った結果、骨がずれているのです。
足指がカマキリの鎌みたいに下を向いた形に骨がずれて固定化されてしまうのです。
当然、足指には痛みが起こり、ミュールを脱いでも足指は伸びなくなり、人間の骨格に由来する一番自然な歩行姿勢が取れなくなってしまいます。
足指の変形に引っ張られて、足はO脚になります。
足首も膝も骨盤も歪みます。
身体の不調は全身に及びます。
そんなわけで、踵に押さえのない靴、中でも特に甲にも押さえがない上にヒールのあるミュールは足にとって、身体にとって、健康にとって最悪です!
どうしてもヒールの高い靴を履かなければならない場面はあるかもしれませんが、ミュールである必要はありません。
皆さん、どうかできる限り、ミュールや、踵に押さえのない靴は選ばないようにしてくださいね。
足の辛い症状でお悩みの方は、是非一度せせらぎにご相談ください。
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